WOVENWAR / WOVENWAR

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AS I LAY DYINGのフロントマンだったティム・ランベシスが別居中の妻を殺害しようとした罪で逮捕されたため、残されたメンバーが新たにOH, SLEEPERというバンドのフロントマンだったシェーン・ブレイをシンガーに迎えて結成したバンドのデビュー作。

基本的にスクリームがメインだったAS I LAY DYINGと異なり、本作はほぼノーマルなクリーン・ヴォーカルで歌い上げられている。それが意図的にAILDとの差別化を図ったのか、現在の彼らの志向がそういう方向に向かっているのかは不明だが、AILDも近作ではかなりクリーン・ヴォーカルの比重が増えていたし、ティム・ランベシスのソロ・プロジェクトだったAUSTRIAN DEATH MACHINEは徹頭徹尾アグレッシヴな作風だったので、ティムを失ってのこの「転換」は自然なものと見るべきかもしれない。

個人的にAS I LAY DYINGのメロディックなパートというのはかなり琴線に触れてくるものだったし、発売前にネット上で目にした#2「All Rise」も私のツボにハマったのでかなり期待していた。

そして本作で展開されている哀愁に満ちたヘヴィ・サウンドはまさに期待通りのハイ・クオリティな仕上がりである。

一方でアルバムを通しての感想としては期待に応えつつもそれを大きく越えるものではなく、危惧していた「メタルというよりもエモ/ポスト・ハードコアっぽい」印象がないと言ったら嘘になる。

いや、その手の音も好きなんですけどね。ただその手のバンドはアルバム一枚通して聴くとちょっと一本調子に聴こえがちで、本作もその例外ではないというか。AS I LAY DYINGはやはりアグレッシヴなスクリームとのコントラストがメリハリになっていたということなのでしょう。

ただ、これまでデス声のスクリームによってAS I LAY DYINGを忌避していたメロディ派のリスナーにはぜひ本作で彼らの優れたメロディ・センスに触れてもらいたいと思います。ちょっとメタル・シンガーとしては甘めな歌声ですが、情感豊かな歌メロも良いし、ギターもすごくいいフレーズを随所で聴かせてくれます。【84点】

◆本作収録「All Rise」のMV




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コメント

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時を同じくしてヴォーカルが逮捕されたLostprophetsの残りのメンバーがが組んだNo Devotionもサウンドが柔らか目になってますね
元々、Lostprophets自体ポストハードコア、オルタナティブな素養も持ってたバンドで、No Devotionはメタルというよりロックですが
第三者には察しきれないことだとは思いますが、取り残されたメンバーの心境としてサウンドの変化の影響として似たものでもあるのかも

METALGATE BLOGの更新は年内いっぱいで停止と以前言っていましたが、別れを切り出すのも名残惜しいですが、そろそろお別れですか?

ここ五年くらい単なる偶然なのか節目なのか、自分の興味ある分野の喪失が多いなぁと感じてたため、湿っぽい話ばかりですみません(笑)
つい最近だとSTATIC-Xのウェインスタティックの死亡が個人的にショックだったり。

もちろん聞き込んでおります

決して新人じゃできないサウンドって言うのがファーストインプレッションでした。
でもでもいきなり作り上げられた曲だと過程を楽しむことが出来ないんでこのくらいからのスタートで十分だと思います。

AUSTRIAN DEATH MACHINEもどういうわけかティム本人が捕まってたにもかかわらず3rd発売してたので買って聞いたところ「AILDでやろうとしてた曲をティムがアレンジして出した感」が満載でした。
出し切ったんじゃないでしょうか?

ツインギター

ボーカルがティムでないのが私のようなAILDファンにとってはもちろん残念なのですが、やはりこの叙情ツインギターはこのバンドでもAILDでも耳を奪われます。
僕的にはニックとフィルはメタル界屈指のギタリストです。

まとめてお返事

>人さん
NO DEVOTIONはバンドの成り立ちがこのバンドとすごく似ていますよね。
実はLOST PROPHETSも結構好きでした。

METALGATE BLOGとしては年内で更新終了ですが、「喪失」なんて大袈裟な言葉を使うような感じにはならないと思いますよ。

ウェイン・スタティックはインパクトのある人だったので、あの人がもうこの世にいない、という事実はファンならずとも不思議な感じがします。


>RIOさん
この巧みなソングライティングはポッと出の新人バンドでは無理でしょうねー。
デビュー作としては出来過ぎなくらいのアルバムだと思います。

AUSTRIAN DEATH MACHINE、3rd出てたんですか。
まあ、BURZUMもカウント・グリシュナックが牢屋に入っていた間も新作が出ていましたし、欧米では逮捕されていても制作ができるのかもしれません。不思議な話ですが。


>V系メタラーさん
ニックとフィルのリード:ギターのセンスは素晴らしいですよね。
バンドの音楽性的に(AILDも)あまりギタリストがフィーチュアされませんが、このツイン・ギターはおっしゃる通りアメリカ人離れした叙情センスを持っていると思います。