HARMONY / THEATER OF REDEMPTION

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ファースト・アルバムが2003年、セカンド・アルバムが2009年、そして本作が2014年と、超マイペースでアルバムを発表するスウェーデンのメロディック・メタル・バンド、HARMONYのサード・フルレンス・アルバム。

アルバムごとのインターバルが長いのでやむを得ないことかもしれないが、前作からメンバーが大幅に変わっており、Keyがジョン・スヴェンソンに交代、正式メンバー不在だったBにALMAHでも活躍するラファエル・ダフラスが加入、そして本作におけるメイン・トピックはヴォーカリストがダニエル・ハイメン(元LOST HORIZON, HEED, CRYSTAL EYES, LEVETT)であるということだろう。

前作『CHAPTER II : AFTERMASS』にも「Inner Peace」という曲にゲスト参加していたので伏線はあったといえばあったのだが、まさかこのバンドにのアルバムで全曲歌うとは意外だった(アルバムのクレジットを見る限りゲスト・ヴォーカリストという位置付けのようだが)。

いや、意外だったというのとはちょっと違うかな。個人的にダニエル・ハイメンの歌唱力はメロディック・メタル界隈でもトップクラスであり、どうせ歌うならもっとランク上のバンドで歌うべきだったと思っているという方が正確か。

前任ヴォーカリストのヘンリック・バスもやや細めではあるもののなかなか魅力ある歌声の持ち主で、失礼な言い方をすればこのバンドのレベルに「ちょうどいい」シンガーだっただけになおさらそういう思いが募る。

とはいえ、強力なシンガーが歌っていること自体は間違いなくプラスであり、ダニエルの加入はバンドのサウンドからB級感を完全に拭いさり、本作のサウンドには既にA級の風格が漂っている。

ミックスにフレドリック・ノルドストロームを迎えたサウンド・プロダクションの良好さもまた、本作のB級感の払拭に一役買っている。

前作は疾走感のある楽曲を多数含むパワー・メタル色の強いアルバムだったのに対し、本作ではあからさまなスピード・チューンが姿を消し、ほんのりプログレッシヴ・メタル臭が漂う荘厳なメロディック・メタル・サウンドが展開されている。路線としてはKAMELOTあたりに近いだろうか。

このバンドとしてのブランクは長かったとはいえ、中心人物であるマーカス・シグフリードソン(G)はDARK WATERや7DAYSといったプロジェクト(バンド?)でコンスタントに活動をしており、ソングライティングのスキルが熟練したことがこのサウンドの変化に影響しているのではないかと思われる。

疾走感が後退した分、パッと聴きの印象はやや地味になったが、1曲1曲の練り込み具合については明らかに前作以上で、時にメロディアス・ハードを思わせるようなわかりやすいメロディの使用や、Keyのアレンジやコーラスの使い方など、随所にマーカスのソングライターとしての成熟が現れている。

前作で聴くことのできた独特の哀愁メロディも非常に魅力的だったが、本作もまた聴き込むごとに味わいを増してくる、スケール感のあるメロディの充実が印象的な作品で、ダニエルの説得力に満ちたヴォーカルもあって、欧州メタル・ファンであれば一聴の価値あり、と言える完成度の高い佳作に仕上がっている。

ただ、もし次作もダニエルが歌うのであれば、1、2曲は彼のパワフル・ヴォイスが活きるパワー・メタル・チューンも収録してほしいですけどね!【83点】

◆本作収録「The Window Of My Soul」のリリック・ビデオ




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コメント

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ダニエル・ハイメンは相変わらず声に艶があってハイトーンの抜けも素晴らしいですね
RIOT Vのトッド・マイケル・ホールと同じ45歳ですが、やはりツアーなどで喉を酷使していないからこそ、今でも素晴らしい歌唱力を保っているのでしょうか?

>名も無きメタラーさん

ダニエル・ハイメンには一切衰えはないですね。素晴らしい歌声です。

まあ、40代であればまだ衰える年齢ではないというのもありますが、ツアーで酷使されていないというのもひとつの理由ではあるでしょうね。