CAIN’S OFFERING / STORMCROW

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元SONATA ARCTICAのヤニ・リマタイネン(G)と、STRATOVARIUSのティモ・コティペルト(Vo)を中心としたプロジェクトの、約6年ぶりとなるセカンド・アルバム。

6年ぶりとはいえ、ヤニとティモの二人はKOTIPELTO & LIIMATAINENの名義で「BLACKOUSTIC」というアコースティック・アルバムを発表しており、本国フィンランドではしばしばライブなどもやっているようなので、本人たちにはそれほど「久々」感はないのかもしれない。

前作でKeyをプレイしていたのは元SONATA ARCTICAのミッコ・ハルキンだったが、本作ではなんとSTRATOVARIUSの(今や元SILVER MOUNTAINだのRISING FORCEの名前を出す必要もあるまい)イェンス・ヨハンソンが加入している(加えてベーシストもMyGRAINのヨナス・クフルベルグに交代している)。

STRATOVARIUSからティモ・トルキが脱退した際、ヤニ・リマタイネンが加入するのでは? という噂もあっただけに、ここで「もしもマティアス・クピアイネンではなくヤニ・リマタイネンがSTRATOVARIUSに加入していたら」というパラレルワールド的なIFの世界が実現したようなものである(大袈裟ですが)。

本作で聴かれるのは、前作同様の哀愁系叙情メロディック・パワー・メタルであり、イェンスの加入効果なのかどうかは不明だが、よりシンフォニックで大仰になったアレンジが前作とのわずかな差異である。

いや~、期待してましたが、やっぱいいですね。こういうキレイめのメロディック・パワー・メタルこそ私のストライクゾーンど真ん中です。速い曲から泣きのインスト、バラードまで、どの曲にも流麗かつキャッチーなメロディが満ち満ちており、琴線に触れまくってきます。

ギタリストであるヤニ・リマタイネンが全ての作曲を手掛けているにもかかわらず、ギター・ソロの存在感が希薄なのが不思議だが、前作同様ティモ・コティペルトの歌唱は時にSTRATOVARIUS以上ではないかと思えるほどに輝いており、その独特の艶のある歌声の魅力を最大限に引き出している。もはやティモのことをマイケル・キスクやジェフ・テイトの出来そこない呼ばわりする人はいないだろう。

しかし本当にプロジェクトにしておくのはもったいないほどに哀メロのフックが効いている。ヤニ・リマタイネン脱退後のアルバムの方が好き、という奇特な方(失礼)を別にすると、SONATA ARCTICAファンが望む音はここにある、と言ってしまっていいだろう。【87点】

◆本作収録「Stormcrow」のオフィシャル・オーディオ


◆本作収録「I Will Build You a Rome 」のオフィシャル・オーディオ




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コメント

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タイトル

素晴らしい出来ですね。と同時に古巣のバンドと比べてしまい、トニー・カッコはもうこういう曲を書けない(書きたくない)のかと少しさびしい気持ちになりました。

SONATA ARCTICAを辞めた理由は兵役の問題のイメージがあったのですが、音楽性の違いが大きかったのかもしれませんね。

ティモ・コティペルトの歌唱も素晴らしいですね。この作品とSTRATOVARIUSの「EPISODE」と「VISONS」を聴き比べてみたのですが、ティモ・トルキって彼に結構無茶させてたんですね(苦笑)。

>お名前さん

ヤニはむしろトニーからこの手の曲の書き方を学んだ部分があると思うんですけどね。
トニーはもう速いパワー・メタルは疲れるからやりたくないようなので、もはやヤニにかつての「ソナタ節」は期待するべきなのかもしれません。

ティモ・トルキがコティペルトに要求していた音域はかなり酷なものだったと思います(笑)。
結構な数のライブをやっていたのに喉を壊さなかったコティペルトは、結構強い喉を持っているのかもしれませんね。

「Stormcrow」のエンディングで恐らく現在のコティペルトの最高音と思われる高音を出していますが、ライブでそれをやらなくてもいいように(?)目立たないアレンジになっていますね(笑)。

たまらんです。

期待してECLIPTICA 15thを聴きズッコケたぶん、これを聴いて″かつてのSONATA ARCTICA"とトルキ在籍時のSTRATOVARIUSの好いとこ取りしているのを感じられて物凄く気持ちよかったです(…悲しくもなりましたが)

しかしコティぺルトの歌声はこういう音楽に本当に合うしヤニの作曲能力も素晴らしいですね大好きです。

安易にこういう言葉は使いたくないけれどI Will Build You a Romeが神曲すぎて目頭が熱くなりました。笑

>お名前さん

STRATOVARIUSとSONATA ARCTICAの聴きやすい部分だけを結集したようなアルバムですね。
ティモ・コティペルトの歌声はもはや北欧パワー・メタルの象徴と言っても過言ではないと思います。

「I Will Build You A Rome」は明朗系メロパワが好きな人にとってはたまらない曲ですね。

いやぁ~、これは素晴らしいですね。好評だった1stにのれなかったもんで買って置きっぱなしにしてて、後れ馳せながら聴いたのですが、優美かつ美麗なメロディーにノックアウトです。4曲目までは神がかってますね。このタイプに興味がなくても4曲目のROMEだけは聴いて欲しい。久しぶりにこんな思いがおきる曲を聴きました。個人的には、もう2回ほどサビが繰り返されたら神曲でした。臆面もない歌詞も恥ずかしながらいい。メタラーのウェディングソング候補ですよ。〆の挨拶のあとはROME!

>大介山さん

美麗系メロディック・パワー・メタル・ファン必聴のアルバムですね。
「I Will Build You a Rome 」は「典型的」な曲だけに好評のようですが、これをウエディングソングに、とはなかなか斬新な発想ですね(笑)。