HELLOWEEN / MY GOD-GIVEN RIGHT

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デビュー30周年を飾る15作目のフル・アルバム(EP、企画盤、ライブ・アルバムを除く)。

30年で15枚とは、いかにコンスタントにアルバムを発表してきたかということで頭が下がりますね。十数年に1枚しか出さないようなバンドは(普通は経済的事情がそれを許さないので)論外としても、普通20年も同じバンドをやっていたら3年に1枚くらいのペースになるのが一般的なのに、この精力的なクリエイティビティ、頭が下がります。

それでいて「問題作」はあれど、楽曲のクオリティという意味で駄作を作ったことは一度としてないのだから、やはりこのバンドは尋常ではない。

その要因は何と言っても普通のバンドであればメイン・ソングライターを張れるような人間が4人もいることに尽きるわけだが、本作も当然のように優れた仕上がりである。

前作「STRAIGHT OUT OF HELL」が世界的に好評を博したことで、メンバーはあらためてHELLOWEENというバンドにどのような音像が求められているかは認識したようだ。今月号の『BURRN!』誌のインタビューでは、そのことを各メンバーが(それをどの程度ポジティブに受け止めているかには温度差があるようだが)認めている。

本作は前作ほどあからさまなスピード・メタル・アルバムではなく、もっと広義のメロディック・メタル・サウンドを展開している。しかしそれはHELLOWEENのパブリック・イメージを大きく逸脱するものではなく安心して聴くことができるものだ。それは前述の「メンバーの意識の統一」がなせる業だろう(特に近年ヴァイキーが「らしい曲」を提供することに徹するべく割り切っているというのが大きい)。

ただ今回、アグレッシヴなパワー・メタル・チューンから、キャッチーな楽曲、バラードに至るまで、どれも良質ながら「これぞ!」というキメ曲に欠けるのもまた事実で、そのことが本作のインパクトを弱めている観は否めない。

そしてアルバム全体として見ると、楽曲単位で聴いてつまらない曲は存在せず、楽曲の並べ方も緩急を意識していると思われるにもかかわらず、謎の中だるみがある。ボーナス・トラックが3曲も入って16曲収録という長尺になっていることも一つの要因だが、それらを外して本編13曲だけで聴いてみてもその印象は大きく変わらなかった。

とはいえ、一時期のようにメロディック・パワー・メタルを無理矢理演じている感じでもなく、物議を醸し出す異色な楽曲を作るでもなく、自然体で求められているサウンドを作りました、という感じの楽曲群は、ベテランならではの成熟が感じられる自然体の好盤として評価できる。アナログ機材を導入して80年代風に仕上げたというサウンド・プロダクションも、充分にヘヴィでソリッドながらどこかぬくもりがあって良い。【84点】

◆本作のタイトル曲にしてリーダー・トラック「My God-Given Right」のMV

往年の名曲「Power」を彷彿させる曲ですね。

◆本作収録「Battle's Won」のリリック・ビデオ




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コメント

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祝!オリコンウィークリー9位!

今作のサウンド・プロダクションは楽曲と素晴らしく合っていますね!
ただ、確かに決め曲に欠けるとは思いました(笑)でも良作だと思います。


BURRN!のインタビューを読んで思ったのは、「やっぱりヴァイキーは面倒そうな性格だな」という事ですかね(笑)
そんな性格でも、彼なりに上手く折り合いをつけて良い曲を作ってるのは素晴らしいことだなと思いました。
彼もバンドもリスナーも"Happy Happy Helloween"な現状がとても嬉しいです。

あとはサシャのリクエスト通り"The Departed(Sun Is Going Down)"をLOUDPARKで見れたら言うこと無し!
(調べたら、最近のセットリストに"Mr.Torture"が入っていますね。The Dark Ride が好きな自分としては期待していいのかも?)

タイトル

なんだかんだ聴き込んでいたら、前作より愛着が湧いてしまいましたよ(笑)前作はあまり聴き込まないうちに飽きてしまっ(ry

ヴァイキーは難しい性格の人ですが、Can Do Itなどの曲を拒絶するファンがいるのもまた難しいですね・・・。日本のファンにそういう人は少なそうですがねぇ。個人的にはアルバムに1,2曲ああいう曲があると「らしさ」があって良いと思います。

ヴァイキーもソロ活動すればいいのにと思いますが、なかなか腰が重いというか、そういった方向に行かないですね(苦笑)

タイトル

個人的には前作の「Straight Out of Hell」ほどのインパクトは無かったものの、期待を裏切ることのない良作だと感じました。気の早い話ですが本作を引っさげてのLOUD PARK 15が楽しみです。

ただヴォーカルのアンディはライヴだと自分の持ち歌はしっかり歌えている印象なのですが、キスク時代の曲になるとキーをガッツリ下げているのが少々気になったり・・・
マイケル・キスクとは完全に異なるタイプのシンガーなのかなあと思います。

ちなみに僕はタワーレコードで本作を購入したのですが、特典のステッカーは一体どこに貼ればいいのやら(笑)

まとめてお返事

>kimさん
今回のサウンド・プロダクションはいいですね。HELLOWEENのアルバムは基本的にどれも良作です。
私も「THE DARK RIDE」は好きで、ぜひタイトル曲をライブで観てみたいですが、ローランドの曲だからきっとやらないでしょうね(苦笑)。


>Mark.Nさん
前作はわかりやすい分飽きやすいかもしれませんね。
ヴァイキーはあまり勤勉なタイプではないのだろうと思います。
今ソロ・アルバムを作っても大して売れないのは目に見えていますから、無駄な作業はしたくないのでしょう…。


>翔さん
アンディがマイケル時代の曲を歌えないのは加入してからずっとなので、もはや諦めるしかないでしょう。おっしゃる通りタイプも声域も違います。
アンディ加入後だけでも名曲満載なのだから、一回の公演で1、2曲でいいと思うんですけどね…マイケル・キスク時代の曲をプレイするのは。

ステッカーはスマホにでも貼ったらいかがですか。
殆どの人は貼らずに保管だと思いますが(笑)。

タイトル

デリスになってから、それこそもう大量の表名曲・裏名曲がありますもんね。是非ともキスク曲封印のライブが観たいですね。デリス批判って、正直キスクの長年の隠居のあおりを食らってる部分もある気もします笑「この曲聴けるのお前らしかいないんだ」的な笑

加入後すぐにあんだけバンドの根幹を支えてきてるんだから、もっとサミーヘイガー、あるいはデイヴィッドリーロスしちゃって良かった気もするんですけど、そうしないからここまでバンドはうまくいってるんですかね、やっぱり。ソロアルバムも物凄い曲がチラホラしてるし、デリスは才能の塊のはずなのに、きっとすごく良い人なんでしょうね〜。

デリスのためにもキスク時代封印ライブ、大賛成です。

昔、ダークライドツアーで来日した時のライブ冒頭、Power〜Salvationの流れは稲妻が走ったように痺れましたので、もしこういう機会があったら是非再現して欲しいものです笑

Midnight Sunも聴きたい。デリス時代だけのライブなんてきっと感動で泣き崩れちゃいますね。あ、でもThe ChanceとDr. Steinだけはデリスの声質と合ってるから変化球で聴きたいかも笑

ちなみに僕、キスクがHelloweenの曲ライブでやってくれた時はそれはそれはあまりの号泣でもう大変でした笑。キスクも立ち上がってくれたから、Helloween信者にとって今は贅沢を言える一番良い時代ですね爆

粒は揃ってるが、中だるみしてしまう
かと言ってクオリティが低いわけではない
など管理人さんと全く同じ意見でビックリです。

個人的に一番気に入ったのはBattle's Wonですねー
なんの捻りもありませんが(笑)

ところで私は常々「Helloweenのすごいところは他のバンドだとメインソングライター級の人が三人もいるからだ」と言っておりました。
しかし管理人さんにとっては(おそらく)サシャもメインソングライター級の人なんですね。

>単なるBurrn!ファンさん

アンディ・デリスが「俺が俺が」というロック・スター気質の人物でないのは確かでしょうね。
HELLOWEENにとって「後から入ったヴォーカリスト」であるという立場もあるのかもしれませんが…。

アンディ時代の曲限定ライブ、やってほしいですね。
何ならセットリスト考えるからその通りにプレイしてくれ、と言いたいくらいです(笑)。

「キスクがHelloweenの曲ライブでやってくれた時」というのはLOUD PARKにUNISONICが出たときのあれですかね? あれは大感動でしたね~。

>エメッソンさん

感想が同じとは、やはりHELLOWEENファンの感性は似ているのかもしれませんね(笑)。
「Battle's Won」は王道ですね。私は今の所1曲ピックアップするなら「Creatures In Heaven」ですが。

ソングライティングについては、質と量が揃って初めて一流なので、そういう意味ではやはりアンディ&ヴァイキーとマーカス&サシャを同列に語るのは無理があるかもしれません。
とはいえサシャも並のバンドであれば充分メイン・ソングライターが務まる力量があると思ってます。

2作続けて良作

個人的な評価はadoreさんより2~3点高いですね。
日本でのチャートが何気に前作より上という反応の良さ。
「THE TIME OF THE OATH」がいちばん好きなアルバムなので#3のヴァースで笑っちゃいました。

私もステッカーは貼らずに保管。

>ストラディキャスターさん

チャート順位は「出来のいいアルバムの次のアルバム」が良くなることが多いですね。

#3のヴァースというか、曲全体の「Power」っぽさは半ば確信犯のようですね。
いずれにせよアンディが歌うHELLOWEENのファンにとっては納得のいく作品ではないでしょうか。