LUCA TURILLI’S RHAPSODY / PROMETHEUS

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前作発表後、「本家」(という言い方が妥当かどうかは議論の余地があるが)RHAPSODY OF FIREのアルバムが発表され、それとの比較を運命づけられたセカンド・アルバム。

基本的には前作を踏襲する、ルカ・トゥリッリらしい「シネマ・スコア・メタル」作品だが、ROFのアルバムよりもメタリックかつシンフォニックで、個人的にはROFが優越しているのはファビオ・リオーネの歌唱だけ、という印象である。

特にシンフォニック・アレンジの壮麗さは驚くほどで、アレックス・スタロポリ(Key:RHAPSODY OF FIRE)を欠いてもルカにとっては何の痛手もないのだなあ…と妙な感慨を覚えてしまった。

いっぽう、ファビオを失った痛手は大きく、バックのアレンジが壮麗な分、アレッサンドロ・コンティ(Vo)の歌唱の細さが際立ってしまっている観は否めない。分厚いクワイアの多用や、ゲスト・シンガーの登場が目立つ辺りは、ルカ自身アレッサンドロの歌唱に満足できなかったためなのではないか、などと穿った見方をしてしまう。

前作からのインターバルは決して長くないにもかかわらず、これほどの密度の作品を送り出してきたルカの才能はやはり卓越しており、この手のシンフォニック・メタル作品でトップクラスの完成度を有していることは疑うべくもない。ただ、それでもなお初期のRHAPSODYと比べて今一つ心躍るものがないのは、私がルカに期待している「勇壮さ」というエレメントをもはやルカが重視していないからなのだろう。

そもそもアレッサンドロの歌声が勇壮さの表現に向いていないこともあるし、メタルの命であるはずのギター・リフも相変わらずつまらない。それは彼らの音楽がリフ志向ではないこともあるが、それ以前に優れた作曲家が必ずしも優秀なメタル・リフ・メイカーであるとは限らない、ということなのかもしれない。

日本盤ボーナスはRIOTの「Thundersteel」のカヴァー。元々が超名曲なので出来は悪くないが、この曲はソリッドなメタル・サウンドだからこそのカッコよさを備えた曲なので、このバンドならではのシンフォ・アレンジが必ずしも有効ではないのが惜しい。

しかしこの曲をチョイスする感性があるなら、このバンドの音楽自体ももう少しメタルとしてのエキサイトメントを高めてくれてもいいような気がするのだが…。

国内盤の解説(by和田誠氏)にはこの「Thundersteel」のカヴァーを歌っているのはラルフ・シーパース(PRIMAL FEAR)と書いてあるのですが、どう聴いてもアレッサンドロが歌ってますよね…?【83点】

◆タイトル曲「Prometheus」のリリック・ビデオ




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コメント

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タイトル

自分の持っているのは輸入盤なのですが、「Thundersteel 
スペシャルゲスト~リードボーカル~ラルフ・シーパース」とブックレットに書いてありますが、ラルフ・シーパースが歌ってるようには聞こえませんよね。
良く聞けばアレッサンドロと掛け合いで歌っているように聞こえなく
もないのですが・・・。
ウソを書いているとは思えませんが、どうなんでしょう(笑)。わざとシンフォニックメタルっぽく歌っているんですかね?

>お名前さん

クレジットされているということは参加しているのでしょうが、どうもラルフが歌っているように聴こえないんですよねえ…。
ラルフだったらもっと硬質にハイトーンを伸ばしてこの曲の魅力を引き出せると思うのですが…。

サビでサンダースティーーーー!!!って叫んでますよ!
そこだけだと思いますが。
そもそもこの曲にシンフォニックなのが合ってない気がするのであんまり好きじゃないです。

Luca Turilli's Rhapsodyの曲をファビオが歌ったら、、って妄想は漢なら一度はしますよね(笑)
しかしファビオ自身が忙しいから無理って断ったのに後々Angraと掛け持ってしかもROFとAngraでツアー絶賛かぶってるじゃねえか!!!!って一度言いたいですね。

本編の方は文句なしでした。
少なくとも2015年上半期で出た作品の中ではぶっちぎりです。
むしろポロリさんがいないから制約なくここまで出来たのではと思ってしまいますね。
単なるプロジェクトで終わらせないで、ちゃんと続けて欲しいです。

>エメッソンさん

なるほど、よく聴くとたしかにラルフっぽい声が聞こえるパートがありますね…。
これを「リードヴォーカル」というのは無理があるような…。

おっしゃる通り、この曲はシンフォアレンジがあまりハマらない曲だと思います。

アルバムの出来で判断する限り、ファビオはこっちに入るべきだったと思うのですが、まあ人間いろいろありますからね…。

うーむ

Thundersteelのシンフォ化は新鮮だったんですが、アレッサンドロの声質だとあまりはまらないですね。
Trick or treatでシンディー・ローパーのカバーしてたときは結構あってたので彼はメロハーかキーパー系Helloweenサウンドのほうが彼の良さを活かせると思いますね。

>Joe Satrianikiさん

アレッサンドロの声はちょっとマイルドなので硬質なパワー・メタルには合わないかもしれませんね。
ちょっとポップな曲の方が彼の持ち味が生きると思います…というとじゃあそもそもこのバンドへの適性はどうなの? ってことになってしまうのですが(苦笑)。

キャプテン和田氏の解説は

昔からバンドの沿革と自分の感情しか書いておらず全く面白くないので、てっきり嘘八百を書いたのかと思ってました..(笑)

>amarfitさん

キャプテン和田の解説は毎度「メロディック・メタルの時代が再び来る!」みたいな妄想(近年はさすがに「こういう音楽が死に絶えることはない」ぐらいにトーンダウンしていますが…)と浅い情報ばかりで、ちょっとラクし過ぎじゃないの? という感は否めませんね(苦笑)。

昔はレコード会社からもらった資料が間違っていたらお手上げだったと思いますが、今はネットで裏がある程度取れますから、さすがにそうそう嘘は書かないと思いたいですね。