VOLCANO / MELT

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前作発表後、坂本英三とのアニメタル的プロジェクト「哀戦士」や、かつての「STAND PROUD!」に続くメタル名曲カヴァー・アルバムの発表を経てリリースされたニュー・アルバム。

前作はサウンド・プロダクションに難があったが、本作ではかなりその点が改善されており、楽曲自体もよく練り込まれていて、磨き抜かれた刃物を思わせるソリッドさがある。

このモダンではないがエクストリームなメタル・サウンドにNOVのアグレッシヴでありながらメロディを歌える声はベストマッチで、これはケミストリーと呼ぶべきものに違いない。

セカンド「DAVI」や前作にあったジャパメタ風味は今回控えめで、攻撃的であることに焦点を絞ったと思われる作風が潔い。

とはいえ、古典的なHR/HMの旨味をたたえた#4や、かつて在籍したGARGOYLEをブルータルにアップデートしたかのような#5などがアルバムを一本調子にさせないスパイスとして機能させているのもベテランならではの妙技。

本作の私的ベスト・チューンは#10~#11の組曲構成な「Fire Sky」、という私の個人的な趣味としてはもう少しドラマティックな泣きの要素をフィーチャーしてほしいが、今回全体的にギター・ソロはコンパクトながら、やはり随所にハッとさせられるリード・ギターのフレーズが配されているし、これくらい削ぎ落とされ、絞り込まれていた方がメタルとして「クール」というものだろう。

これだけのメタル・アルバムを作り出すことができるにもかかわらず、どうもご本人の人柄(酒癖?)に問題があるようで、自ら手売りに近いような形でアルバムを売ることを強いられているというのが非常にもったいない。

その奏でるリード・ギターを聴けばものの10秒でこの人には特別な才能があることが明らかなのだから、屍忌蛇氏に創作と演奏だけに集中できる環境が用意されることを願ってやまないのですが…。【84点】

◆本作のトレーラー映像




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コメント

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タイトル

メロディックメタルを好む者としては、屍忌蛇さんのギターはヨダレモノです。GYZEのRyojiさんも多大なる影響を受けているようで泣きっぷりは天下一品だと思いました。

ただ個人的に彼のことはギタープレイは良いのですが、人間性のせいであまり好きになれなかったりします...(同じ理由でイングウェイも) まあシラフだとどうかわからないですが。
でもこういった傑作をリリースしてくれるなら、これからもジャパニーズメタルの至宝としてガンガン活動してほしいと素直に思えますね。

また先日のNWOBHMのコラム、興味深く読ませていただきました。
このムーブメントが終わって10年以上経ってから生まれ、DRAGONFORCEやChildren Of Bodomなどド派手なメタルに慣れていた僕にとっては古臭すぎて「ハァ?」な音だったのですが(笑)、今ではこういった音も良いと思えます。ANGEL WITCHのチープさがタマラナイ。

>翔さん

屍忌蛇のギターは最高ですよね…。なぜここまで煽情的なフレーズを連発できるのか。

人柄については、自分と直接接点のない人がどんなに酷い人だろうと気にしないようにしていますが、この人の場合それで創作活動に支障をきたしているように見えるのが残念ですね…。

NWOBHMのコラムは結構書くのに時間がかかったので、読んでいただけると嬉しいですね。

たしかに今どきのメタルに馴染んだ人にはショボく聴こえますよね。それは普通の感想だと思います。
一方で基本的なメタルの魅力のエッセンスみたいなものはちゃんと息づいていて、そこに気付くとちょっと楽しんで聴けたりしますね。ANGEL WITCHを楽しめるなら上出来でしょう(笑)。