SYMPHONY X / UNDERWORLD

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私の宿願だったLOUD PARK 14への出演をわざわざキャンセルして制作した9枚目のオリジナル・アルバム(根に持ってる)。

前年の10月のライブをキャンセルしてからかれこれ9ヶ月近く待たせてリリースするんだから、よっぽど渾身のアルバムなんだよな…? とちょっと意地悪な思いで聴いてみた。

しかし残念ながら、「渾身」感は前作の方が上。前作は単純に二枚組でボリュームもあったし、作風もかなりヘヴィかつ高密度な、緊張感が高すぎて正直聴き疲れするほどの作品だった。

然るに本作は、ダンテの「神曲」にインスパイアされたコンセプト・アルバム、という、いかにも重そうな触れ込みに反して、ここ数作の彼らの作品の中では最もコンパクトというか、誤解を恐れずに言えば「肩の力が抜けた」作風だ。

前作ではガナるばかりという印象だった(よく聴けば必ずしもそうではないのだが)ラッセル・アレンも、本作では「メロディを歌っている」という印象が強い。

とはいえ基本的な方向性は変わっていない。ヘヴィなリフと、プログレッシヴ・メタル風の緊張感ある曲構成・アレンジによるコンビネーションの妙が彼らの音楽の骨格を成しており、その点に裏切りは一切ない。

リフ・ワークもね、あらためて思うのは故ダイムバッグ・ダレルのいわゆる「PANTERA風リフ」に影響を受けたギタリスト/バンドは数多けれど、ここまでそれを「自分のもの」として消化し、バンドのオリジナリティに還元、昇華させたのはマイケル・ロメオだけなんじゃないかということですね。

真面目な話、PANTERAファンとSYMPHONY Xファンってほとんど被ってなさそうだけど、実はPANTERAのイメージではなくサウンドが好きな人だったら、近年のSYMPHONY Xは結構楽しめるんじゃないか、って気がしてます(だからこそ、LOUD PARKのような色々な層のメタル・ファンが集う場でプレイしてほしい)。

本作の「肩の力が抜けた」コンパクトな作風は、バンドの成熟を感じさせる完成度の高さだし、単純に聴きやすくもあって印象は悪くないのだが、これといったキメ曲の不在、そして(これはここ15年近くずっとだが)かつて私が愛した叙情性の不足が、「満足」まではもたらしてくれないというのが正直な所(#10のピアノ・パートなどはかなり良い線いっているのだが)。

今年はスケジュール的に無理っぽいので、来年のLOUD PARKでお待ちしています(しつこい)。【84点】

◆本作収録「Nevermore」のリリック・ビデオ


◆本作収録「Without You」のリリック・ビデオ



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コメント

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タイトル

これじゃDaydream XIのほうがマシだ…

>Loki Holstさん

お気に召さなかったようで…。
たしかにDAYDREAM XIは初期SYMPHONY Xのファンにアピールするバンドですね。

そういう意味では既に現在のSYMPHONY Xと比較すべきではないのかもしれませんが(苦笑)。

2ndのダムネイションゲームが好きだ

せっかく新作出したのだから、今年のラウパに出演してくれても良いだろうにね。

まぁ私はトニーマカパインの来日公演の方に行く予定だから、ラウパには行かないけどさ(^^;。

adoreさん渾身のラウパレポを楽しみにしています。

>ゆうていさん

セカンドが好きという人は基本的にネオクラ派だと思うので、現在の彼らの音楽はちょっとヘヴィ&複雑すぎるかもしれませんね。

まあ、トニー・マカパインの来日公演に足を運ぶという時点でネオクラ派であることは明白なわけですが(笑)。

日程が被っているわけでもなし、トニー・マカパインもラウパも両方行かれてはいかがですか?
私のレポートでは実際の楽しさの1%も表現できないわけですし。

タイトル

今作は私好みの作風で、普通に聴いたら87,8点くらいつけちゃうかなという出来でしたが、去年のことがあったので複雑な気持ちにもなりますw

プログレ&モダンなサウンドも好きですが、ダンテの「神曲」といういかにもな題材にもかかわらずほとんどネオクラ臭がしないのが誤算でした。もう今後は日本人好みのネオクラ路線は望めませんね。

Without Youみたいな歌モノっぽい曲も悪くないので、ここまでコンパクトにするなら思いっきりラジオ向け(死語)な曲とかあればもっと良かったですw

>Mark.Nさん

「Without You」は本作の「聴きやすい路線」を象徴する曲ですよね。

ネオクラ風味を封印してしまったのは残念ですが、むしろそういう要素を「B級的」と感じる人も多いと思うので、本作の作風の方が広い目で見れば「間口が広い」のかもしれません。

まあいつか「初心に帰る」ことも期待したいという気持ちがあるのは事実ですが(笑)。

ネイションもマジェランも好き

私はシェラプネルも好きですが、マグナカルタも好きなので大丈夫です。

特に表題曲は今のところ2015年のベストチューンで、名曲SEVENを越えているのではないかと。

個人的には2ndが好きですが、最高傑作は3rdですかね(^^;?

>ゆうていさん

「Shrapnel」も「Magna Calta」も、ってどちらもマイク・ヴァーニーという意味ではとても狭いですね(笑)。
気に入っていないというわけではないんですね。

美メロという意味では2ndが最高だと思いますが、なにぶん音質があまりにもアレなので、総合点では3rdを推したいですね。「Of Sins And Shadows」というキラー・チューンもありますし。