POWERWOLF / PREACHERS OF THE NIGHT (2013)

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最新作「BLESSED & POSSESED」の日本盤リリースに合わせて、同時に「陰翳礼讃」なる陰陽座みたいな邦題で日本盤がリリースされた1作前の5枚目にして彼らの大出世作。

「出世作」などと言っても、この前作「BLOOD OF THE SAINTS」(2011)の時点で本国ドイツのナショナル・チャートで23位という、同時期のGAMMA RAYあたりと遜色ない成功を収めているのだが、何しろ本作はSCORPIONSの「CRAZY WORLD」以来、通算2作目となるドイツにおけるHR/HMアルバムのチャートNo.1獲得作である(ちなみに3作目となったのは本作の後にリリースされたACCEPTの「BLIND RAGE」でした)。

BLIND GUARDIANやEDGUY、AVANTASIAといった実力のあるアクトの力作があと一歩という所まで迫りながらたどり着けなかった本国のチャート1位をやすやすと(と言ってもデビューから8年、アルバム5枚を重ねているわけですが)獲得してしまったメロディック・パワー・メタル・アルバム、これは聴かないわけにいきません。

なるほど、これはなかなかにキャッチーに練り上げられたパワー・メタル・アルバムだ。明らかにHELLOWEEN以降の「ジャーマン・パワー・メタル」の伝統を踏まえつつ、その手のバンドが逃れられなかった「野暮ったさ」「イモ臭さ」がほとんどない。

そしてこのバンドの特色は何と言ってもメンバーがブラック・メタルのコープス・ペイントを思わせる白塗りメイクを施しており、「暗黒司祭と吸血鬼と狼男によるバンド」という設定があるらしい。まるで聖飢魔IIである。狼男的な意味ではMAN WITH A MISSIONか。

しかしそうしたキャッチーなキャラクター性やバンド・コンセプトもこれまでのメタル職人的なジャーマン・パワー・メタル・バンドにはないキャッチーさで、そういう部分もきっと人気の源なのだろうと思われる。

そういうキャラクター性やコンセプト(音楽性も)はスウェーデンの人気バンドSABATONにも通じるもので、欧州くらいHR/HMがポップ・ミュージックの一部として一般化している(?)と、ポップ・バンドと同様に「何をやっているか」と同じくらいに「どんな人がやっているか」が評価の対象になったりするのかもしれない。

もちろん「キャラが立っている」というだけでメタルが売れるはずもなく、実際の楽曲もいい。ちゃんとメロディック・パワー・メタルしていながらコンパクトかつキャッチーにまとまっていて、ライブで気持ちよく合唱できそうなアンセム感がある。

個人的にはヴォーカルの芝居がかった感じがあまり好みじゃないのと、もうちょっとインスト・パートに面白みというか聴かせ所がほしいという思いがあって、心の琴線にどストライクというわけではないのですが、このクオリティは充分評価に値すると思います。【85点】

◆本作収録「Amen & Attack」のPV



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コメント

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タイトル

PV曲の歌メロがほぼ全て頭打ちで貫かれて極端にキャッチーですね。
にしてもAmen & Attackってすごい曲名…。

Freedom Callも日本盤出てほしいなぁ。

>Loki Holstさん

キャッチーですよねえ。「Amen & Attack」に象徴されるネタっぽい曲名が多いのも人気の源のひとつではないかと思っています。

FREEDOM CALLはクオリティ高いのに日本では受けませんね…。

タイトル

最近…と言っても昔からの傾向なのかもしれませんけど
コスプレメイクで音楽性は普通のヘヴィメタルっていうの増えましたね
ヴォーカルの格好はもっと言ってしまえばキングダイアモンドに近い?
同じレコードレーベル所属のゴーストも同じような感じでメイクしてたし、やっぱり流行りなんですかね?
このタイプのコスプレメタルバンド全部集めてフェス立ち上げられそうな…(笑)
集客見込めるのか分かりませんけど楽しそう

話は変わりますがBlack tideの新譜が11月に出るみたいですがadoreさんはどう見ますか?
アルバム自体は4年と結構間が空きましたが…

>人さん

GHOSTにせよSABATONにせよ彼らにせよ、エンターテインメント性が高いですね。
ただ、日本のメタル・ファンは高齢化している上に真面目な人が多いので、そういった要素をあまり評価していないように感じます。
どれもライブは楽しそうなんですけど、日本での集客は厳しいかもしれませんね(苦笑)。

BLACK TIDE、前作のトレンド・メタル路線のままだとしたら、ちょっと「特別なバンド」になるのは難しいかもしれませんね…。