BULLET FOR MY VALENTINE / VENOM

bulletformyvalentine06.jpg

前作「TEMPER TEMPER」は、狙いどころは理解できるし、客観的に見て出来が悪いアルバムではなかったが、個人的には「彼らにこの作風を期待してる人っているの?」と疑問に感じてしまうピンと来ないアルバムだった。

それゆえ、新作が出ると聞いてもさして食指が動かなかったのだが、ネット上で見かける前評判がどれもなかなか良かったのと、経験上この手の「紋章風ジャケット」にハズレが少ないということもあいまって買ってみることにした。

プロデューサーが前作・前々作を手掛けたドン・ギルモアを外し、1st、2ndを手掛けたコリン・リチャードソンに替わったこともあり、「原点回帰」が予想されており、それはアルバム・タイトルが「VENOM(猛毒)」であることからも想像できた(彼らのファースト・アルバムのタイトルは「THE POISON」(毒)である)。実際イントロ的な#1に続く実質的オープニング・チューン#2「No Way Out」の鋭利な疾走感を聴くと、再びメタル路線に戻ってきた、と感じられる。

しかし、アルバムを聴き進むと、必ずしも原点回帰のメタル路線オンリーというわけでもなく、前々作「FEVER」で花開いたメランコリックなメロディ・センスを活かした「聴かせる」楽曲も多い。そういう意味ではこれまでの彼らの集大成というか、彼らの持つアグレッシヴ・サイドとメロディック・サイドを折衷した作風と言えるだろう。

期待の若手、と目されてきた彼らも既に10年を超えるキャリアとなっているだけあってソングライティングはこなれており、何よりこれまでの彼らのアルバムの中で最もメタル然としたソリッドな作風となっている点をして、本作を彼らの最高傑作と捉える人もいるだろう。

ただ、パッと聴きのヘヴィさはともかく、やはり音楽全体の持っているエナジーというか勢いは初期にあったものが失われているし、メロディの充実度も前々作「FEVER」に及ばず、個人的にはいささか中途半端な印象を受けてしまったというのが本音。

ヴォーカルの細さを隠すためなのか全体的に良く言えばシャープ、悪く言えば迫力不足な音作りなので「風格」のようなものが感じられないのも、このバンドがIRON MAIDENやMETALLICAのような大御所へと飛躍しそうな期待感を与えてくれない。

これはバンドのせいではないかもしれないが、日本盤デラックス・エディションは本編11曲に対してボーナス・トラック7トラック(うち日本盤のみの音源はライブの3トラック)とやたらと多いのも個人的な感覚ではマイナス。【82点】

◆本作収録「You Want a Battle? (Here's a War)」のMV


◆本作収録「Army Of Noise」のMV




スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

タイトル

お久しぶりです。
このアルバムはマジでカッコよかったですね。
個人的に前作より素晴らしい内容だったと思います。

ただし残念なのが来日公演が悪夢のオズフェスジャパン。
オズフェスは2日目しか行かないので、このバンドは改めて単独来日を期待したいですね。

>ランディさん

今回のOZZFESTの初日はいわゆるメタラーにはちょっと厳しいメンツですからねー。
BFMVのためだけに、と割り切るにはチケットが少々お高いので、次回の来日に期待ですかね。
別途単独公演が組まれる可能性もあまり高くなさそうですし…。

Impellitteriとリリースぶつからなくて良かった(笑

このバンドの作風がどんどん丸くなっていったので
イントロのスクリームが聴けただけで一応、安心しました。(笑

Noooo!
Waaaaay!!!
OOOOOOOOuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuttttt!!!!!!!!!!

>Loki Holstさん

同時期にVENOMがセルフタイトルのアルバムを出さなくてよかったですね(笑)。

「No Way Out」が始まった時には私もオッ、今回はキレてるな!と思いました。本作のハイライトですね。