PRAYING MANTIS / LEGACY

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2009年の「SANCTUARY」以来、約6年ぶりのオリジナル・アルバム(2011年に企画盤「METALMORPHOSIS」をリリースしている)。

このバンド恒例のメンバー・チェンジがあり、ヴォーカルとドラムが交代している。新しいヴォーカリストはCOOPER’ INCやPARRISというバンドで活動し、AYRIONのアルバムへの参加経験もあるジョン・カイペルス、ドラマーにはCHINA WHITEやTERRA NOVAに在籍していたハンス・イン・ザントが迎えられており、AYRIONやTERRA NOVAというバンド名で想像がつく通り、二人はオランダ人である。

基本的には前作の流れを汲んだヴォーカル・ライン重視のメロディアス・ハード/AOR色の強い作風で、かつてに比べるとド派手なツイン・リードが炸裂する「マンティス節」は控えめだが、それは客観的に見れば「洗練」ともいうべきもので、彼らの成熟の形なのだろう。

ニュー・シンガーのジョンはドゥギー・ホワイト(元RAINBOW, YNGWIE MALMSTEEN, MICHAEL SCHENKER'S TEMPLE OF ROCK)を少し繊細かつエモーショナルにしたような、前任者同様の個性は強くないが無難な歌声の持ち主で(ルックスは完全に一般人だった前任者よりもずっとロック・ヴォーカリスト然としているのが良い)、彼の実力が確かなればこそ、こういったヴォーカル・オリエンテッドな路線が取れたのだろう。

今回「トロイ兄弟のバンド」であるこのバンドにしては珍しいほど他メンバーがソングライティングに関与しており(#5「Better Man」には何と名盤「A CRY FOR THE NEW WORLD」のVoだったコリン・ピールが関わっている)、そのこともまた本作のメロディアス・ハード的な作風に影響を与えたのかもしれない。

特に、80年代のフィーリングが色濃いAORナンバーである#2「The One」や#6「All I See」のような楽曲はアンディ・バーゲス(G)が一人で書いた曲で、個人的にはこの2曲(特に前者)が一番グッと来た。

ティノ・トロイではないギタリストが書いたポップな楽曲によってアルバム全体にキャッチーな印象が形作られているという意味では、デニス・ストラットンが大きく関与した「PREDATOR IN DISGUISE」に近いものがある。

当時「PREDATOR IN DISGUISE」の作風は賛否両論を呼んだが、今となっては楽曲が(80年代的な感覚で)ポップであることを批判するような手合いはいないだろうし、まして今回はキャッチーといっても「哀愁」というこのバンドに求められるエレメントをちゃんと押さえている。何の文句もあるまい。

このロドニー・マシューズによるジャケットに反応するような往年のファンのみならず、メロディアス・ハード系のサウンドを好む人にはぜひチェックしてもらいたい一枚。【85点】

◆本作収録「Fight For Your Honour」のMV

これは伝統のマンティス節ですね。

◆本作収録「The One」のオフィシャル音源

ツボです。



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コメント

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タイトル

adoreさんは、このバンドに思い入れがあるみたいですね。このバンドをここまで的確に評価できる人は他には知りませんよ。
とても野心あるバンドとは思えませんが、毎回日本人好みの質の高いアルバムを出しているのでいまだに現役感がありますよね。
今回のヴォーカルは、このバンドの曲の魅力を引き出していて素晴らしいです。あとは少しでもアルバムが売れて来日して欲しいですね。

>なっつさん

いや実はそんなに思い入れないんですよ、ホントに(笑)。
もちろん好きだし、だからこそ聴き続けているんですが、ぶっちゃけライブが観たいとまでは思っていないし、新作が出たら絶対買おう、などと思っているわけでもないんです。

それでも、実際に音を聴くと「これは買いだな」と思わせてしまうだけの曲を彼らが提供しているということですね。
そういう意味では彼らの書く曲が私に合っていることは間違いないと思いますけど。

ライブを観たいとは思っていないとは申し上げましたが、本作がかなりツボだったので11月に決定している来日公演にはちょっぴり心惹かれていたりします(笑)。

個人的には・・・

3rdの「ア・クライ・フォー・ザ・ニュー・ワールド」1枚だけ聴けば良いと思っているバンドですが、ロドニー・マシューズのジャケットは最高ですね(^^;。試聴して手応えを感じたら購入を検討します。ライズ・アップ・アゲインやジャーニーマンのような曲を期待してしまうが果たして・・・。


あとこれは全く記事と関係無いですが、昨日クラブチッタ川崎から電話が来て、トニー・マカパイン来日公演中止を告げられました。前回の電話では年内無理という話しで、来年に希望を託していたのですが、2ch見たらどうやら癌らしいので、生きているだけでも御の字と考えることにします。只でさえ年齢のせいか(笑)腰が重いのに、PSMSを見逃した事が悔やまれる|д・。`)φ......。

>ゆうていさん

「A CRY FOR THE NEW WORLD」よりはAOR寄りの作風ですかね…。
まあ、聴いてご判断ください。ここに貼った2曲を聴いて何も感じないのであればパスしていいのではないでしょうか。

トニー・マカパイン、ネット上の情報で状況は把握していましたが、わざわざ電話までしてくれるとは手厚いですね。
おっしゃる通り、生きているだけで御の字と考えるしかありませんね。