AMORPHIS / UNDER THE RED CLOUD

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前作「THE CIRCLE」ではセルフ・プロデュースからの脱却、民族叙事詩『カレワラ』から離れた歌詞テーマと、変化を求めている観のあった彼らだが、本作では約2年ぶりといごく順当なリリース・サイクルながら、前作に続きさらなる変化を求めた作品である。

前作ではピーター・テクレン(HYPOCRISY)をプロデューサーに迎えていたが、本作ではSOILWORKやSYMPHONY X、ARCH ENEMY、DRAGONFORCEなどのアルバムを手掛けてきたイェンス・ボグレンにプロデュースを委ねている。

プロデューサーの交替はサウンド面でも明らかで、前作ではあえて荒々しさを残したアナログ感のある音像だったが、本作のサウンドはシャープに引き締まっている。前作の音もこのバンドのサウンドにはマッチしていたが、本作のサウンドのほうが楽曲のストラクチャーがつかみやすいと感じる。

彼らの音楽を貫く土着的な神秘性を湛えた雰囲気はそのままに、本作ではヘヴィネスとメロディのコントラストがより顕著になっており、ここ数作のアルバムにあったムード重視な印象が薄れ、個々の楽曲のメリハリが効いている。

ここしばらくのアルバムの中では最も多いのではないかと思うほどグロウルで歌うパートが多いが、だからこそ彼らのメランコリックなメロディ・センスが一際映えている。

スウェーデンのTREES OF ETERNITYで活動する南アフリカ出身の女性歌手、アレア・スタンブリッジをゲストに迎えた#10「White Night」や、彼らとしてはかなりダイレクトにフォーク・メタル風な体裁の#9「Tree Of Ages」といったユニークな曲を終盤に持ってきたことも本作を一本調子に感じさせないことに貢献しているように感じられる。

いずれにせよ、デビューから20年以上の歳月を重ねつつ、衰えることなきソングライティングの能力とバンド独特のオーラを証明する傑作。アートワークも印象的である。【86点】

◆本作収録「Sacrifice」のMV


◆本作収録「Death Of A King」のMV




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コメント

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タイトル

前作の"Circle"では、あまり変化は感じられなかったというのが正直な感想でした。多少ヘヴィというかメタル然としたサウンドになったのは事実でしたが、それが彼らの音楽的にプラスアルファとして作用しているかはちょっと疑問でした(決してマイナスではなかったので、ファンとしては十分に楽しめる良作ではありました)。
しかし、今作では管理人さんの述べるように、シャープなサウンドプロダクションによりヘヴィネスとメロディのコントラストが強調され、変化が明らかにプラスに作用していますね。
彼らの独特の魅力はそのままに、サウンドプロダクション面の「良化」ではなく「変化」によって、素晴らしい作品が出来上がったことに感動です!

一つ贅沢を言えば、ボーナスディスクはCDではなくDVDにして欲しかったです(笑)StratovariusのDVDがすごく楽しめたので、こっちも映像で観たかったです。最前列で見てたうえに、スティックをゲットできた思い入れのあるライブなので余計にそう思います。

トミ・ヨーツセンが髪の毛バッサリ切ってるのも結構な「変化」ですね
アルバム買う前にPV見てそれに一番驚きました
まあ面倒くさかったでしょうね、あの髪は

音楽は相変わらず最高です

>kimさん

彼らの場合、サウンドが変化しても本質が変わらないのでファンとしては安心して聴けますね。
もちろんそれは楽曲のクオリティが落ちないということも大きいですが。

STRATOVARIUSが映像でAMORPHISが音だけ、というのはやっぱり見込み売上の差なんでしょうかね?
最前列でご覧になったという思い出深いライブだとしたらやはり映像で欲しいですよね。

>名無しのメタラーさん

ライブにおいてはトミ・ヨーツセンの髪型が最大の変化でしょうね。
あの特注マイクはやめないようですが(笑)。

単独来日決定!

連日のコメント失礼します。

まるで知っていたかのようなタイミングのレビューでしたね(笑)
単独は2012以来?今から楽しみです!

>kimさん

実は知っていたんですよ、と言いたい所ですが完全に偶然です。
私もタイミングいいな、と思いました(笑)。