MAGNUS KARLSSON’S FREEFALL / KINGDOM OF ROCK

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今やメロディアスなHR/HMを好むファン御用達となっている『Frontiers Records』お抱えの職人ソングライター/プレイヤーとして知られるマグナス・カールソンのソロ・プロジェクト第二弾。

本作も前作同様、マグナスが全ての曲を書き、ドラムを除く全てのパートを演奏(ドラムは彼のキャリアのスタートとなったMIDNIGHT SUN時代からの付き合いである凄腕、ハイメ・サラザールがプレイ)しており、それぞれの曲に異なるヴォーカリストをゲストとして迎えている。

今回の楽曲とシンガーの一覧は以下の通り。

01. Kingdom of Rock (ヨルン・ランデ:元MASTERPLAN他, JORN, ALLEN / LANDE)
02. Out of The Dark (ヤコブ・サミュエル:THE POODLES)
03. No Control (ジョー・リン・ターナー:元RAINBOW, YNGWIE MALMSTEEN’S RISING FORCE, DEEP PURPLE, H.T.P.他)
04. When The Sky Falls (トニー・マーティン:元BLACK SABBATH)
05. Angel Of The Night (デヴィッド・リードマン:PINK CREAM 69)
06. I Am Coming For You (マグナス・カールソン)
07. Another Life(リック・アルツィ:AT VANCE, MASTERPLAN)
08. Never Look Away (トニー・ハーネル:元TNT, STARBREAKER)
09. A Heart So Cold (ハリー・ヘス:HAREM SCAREM)
10. The Right Moment (レベッカ・デ・ラ・モッテ)
11. Walk This Road Alone(マグナス・カールソン)

ヨルン・ランデやトニー・ハーネルといった、マグナスと一緒にプロジェクトをやっている人たちもいるが、本作はどちらかというと『Frontiers Records』人脈のゲストを集めたという感じで、本人的にはジョー・リン・ターナーやトニー・マーティンといった人たちが目玉という感じのようだ。

しかしかと言ってその二人が歌う曲がベストかというと、むしろジョーの歌う「No Control」なんて本作で一番地味なんじゃないかと思うほどで、前作同様、凡百のバンドであればキャリアの代表曲となるような充実した楽曲が目白押し。

前作に何曲かあったあからさまにメタリックな曲はないものの、まったりしてしまうようなミドルテンポの曲などはなくスムーズに最後まで聴き通せるのは卓越したソングライティング力の賜物だろう。

どの曲も秀逸ですが、マグナスのデビュー・バンドであるMIDNIGHT SUNのシンガーでもあったヤコブ・サミュエルが歌う「ベース以外はMIDNIGHT SUN再結成」な#2「Out Of The Dark」、トニー・マーティンが歌う、まさにトニー・マーティン在籍時のBLACK SABBATHを思わせる荘厳かつドラマティックな#4「When The Sky Falls」、前作に引き続き参加トニー・ハーネルが歌る胸キュンなハード・ポップ・チューン#8「Never Look Away」あたりは堪らないものがある。

唯一の女性シンガーであるレベッカ・デ・ラ・モットは本作が実質的なデビュー曲らしいが、この錚々たるゲスト・シンガー陣の一角として抜擢されただけあって堂々たる歌唱を披露しており、さながらハリウッド大作映画のエンディング・ロールに流れたとしてもおかしくないようなメジャー感を放っている。

そして実はヴォーカリストとしてもそんじょそこらの専任シンガーより上手いイケメン・ヴォイスの持ち主マグナス・カールソンが歌う2曲はどちらも哀愁が効いていて個人的なツボにグイグイ入ってきます。この人は本当に天から二物も三物も与えられてますね…。

音楽的には全く隙のない本作に何かしらケチをつけるとしたら「ロックの王国」なんていう中学生がつけそうなタイトルのセンスと、アートワークのセンスですかね(苦笑)。まあHR/HMというのは世の中一般でいう「センスの良さ」なんてクソくらえ、なジャンルなので小さな話ですが。

一時期、ちょっと「お仕事」感のある作品が目立ったマグナス・カールソンですが、前作といい本作といい、自分の名前が出る作品だとこうもクオリティの高い作品を出してくるあたり、やはり人間裏方よりもフロントに出たほうがいい仕事をするということでしょうか(笑)。

惜しむらくはメンバーとして活動しているPRIMAL FEARのツアーですら「家族と一緒にいる時間を優先させたい」という理由で参加しなかったマグナスだけに、この素晴らしい楽曲をライブで体験する機会がなさそうなことですね…。まあ、元々AVANTASIAくらいにならないとこういうゲストだらけの作品をライブで披露するのは難しいわけですが…。【87点】

◆本作収録「Out Of The Dark」のオフィシャル音源




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コメント

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強力なアルバムですね。

このアルバムは彼の関わっているなかでも、ひときわ素晴らしいですね。実際、AVANTASIAと比べても遜色ないし、特にトニー・ハーネルの参加した曲は全盛期のTNTに匹敵するクオリティーでかなり気に入りました。
彼のギタープレイも圧倒的なスキルとセンスで、ギターヒーロー的存在になれる資質がありますよね。最近は、ギターヒーローというより職人的ミュージシャンのイメージが強くなってしまいましたが、もっとアルバムが売れて、積極的にライブをやったりして野心的な活動に目覚めて欲しいですね。

>なっつさん

トニー・ハーネルの曲、いいですよね~。
前作でトニー・ハーネルが歌ったバラードもとても良い曲でしたが、今回の曲も素晴らしい。
トニー・ハーネルをえこひいきしてるんじゃないかと思うほどです(笑)。

きっとLAST TRIBE時代にはギター・ヒーロー志向だったと思うのですが、今は完全に裏方の職人ですね。きっと今の彼はギター・ヒーローになることより家族の方が大切なのでしょう。
もったいない気もしますが、まあ人間としてはそれも真っ当な生き方だと思うので何も言えません。

ただ、一度くらいは生で彼のプレイを観てみたいですね…。

タイトル

今回も素晴らしいアルバムですね!
前作よりポップな曲が増えたのが気に入らないという人もいそうな気がしますが
個人的には嬉しい変化です。
Harem Scaremファンとしてはハリーヘスの参加曲がメタル色が増したHarem Scaremに聴こえていい感じです。

前作に続きトニーハーネルが歌った曲が一番気に入りました。
僕もトニー・ハーネルをひいきしてるんじゃないかと思います(笑)

もし3rdアルバムを作るなら今度こそピートサンドベリを参加させて欲しいですね~
彼の声は好きな声ベスト10に入るぐらい好きなので!
色々と事情があるのでしょうが最近ピートの名前を全く聞かなくなったので生きているのか心配になります

関係ないですがSymphony Xがラウパ14に参加すると最初聞いたときは
adoreさんのように願い続ければ叶うこともあるから
「僕もピートサンドベリのシーン復帰を願い続けよう」と昔心に誓ったことがあります。
まあ結果はアレでしたけど・・・

>ノバックさん

トニー・ハーネル、ひいきされてますよね(笑)。
弱みでも握られているのでしょうか(笑)。

ピート・サンドベリ、今となってはもはや懐かしい名前ですね。
一時期はかなり頻繁に目にしていた名前なのですが…。

私と違って夢が実現することを願っています(苦笑)。