FOR MY PAIN… / FALLEN (2003)

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前回、フィンランドのノリノリ系ゴシックについてのエントリーを書いたわけですが、そこで紹介しきれなかったアルバムを一枚紹介したいと思います。

本作はフィンランドにおけるノリノリ系ゴシック・メタルのブームが頂点に達しつつあった2003年に発表されたアルバム。

ただ、このバンドはプロジェクトで、メンバーは皆それぞれ自分のバンドを持っているキャリアのある人間の集まりだった。その参加メンバーは以下の通り。

Vo:ユハ・キルマネン(REFLEXION)
G:ラウリ・トゥオヒマー(CHARON)
G:オリ=ペッカ・テッレ(元ETERNAL TEARS OF SORROW)
B:アルッティ・フェテレイネン(元KALMAH, ETERNAL TEARS OF SORROW)
Key:ツォーマス・ホロパイネン(NIGHTWISH)
Dr:ペトリ・サンカラ(元KALMAH, ETERNAL TEARS OF SORROW)

NIGHTWISHのツォーマスが参加しているというだけで豪華なわけですが、当時KALMAHやETERNAL TEARS OF SORROWといったバンドも気に入ってよく聴いていただけに、このアルバムはチェックせずにいられませんでした。

赤髪のヴォーカリスト、ユハ・キルマネンのみほぼ無名でしたが、ETERNAL TEARS OF SORROWの「A VIRGIN AND A WHORE」でゲスト・ヴォーカルとして参加しており、個人的に彼が参加していた曲が非常にツボだったので、そういう意味でも期待値が高かったと言えます。

で、アルバム内容は、これが笑ってしまうほど典型的なノリノリ系ゴシック・メタル。KALMAHやETERNAL TEARS OF SORROWのようなメロデス的要素も、NIGHTWISHのようなシンフォニック・メタル的な要素もなく、完全に当地のトレンド・フォーマットをなぞった感じです。

「ちょっと流行りの音楽をやってみたかった」のか「小遣い稼ぎ」なのかわかりませんが、もちろん優れたミュージシャンの集まりだけにその完成度は高く、本国フィンランドのヒット・チャートで7位にランクインする成功を収めます。

翌年に出たシングル「Killing Romance」のクレジットには既にツォーマス・ホロパイネンの名前が消えていましたが、こちらもフィンランドのシングル・チャートで7位を記録とまずまずの成果を残しましたが、そのシングルを最後に活動を停止しています。

何しろメンバー全員掛け持ちの「プロジェクト」だけに無理もありませんが、本作の完成度の高さを考えると5年に1枚とか、そういうペースでもいいので続けてほしかった気もします。

実際このメランコリックかつキャッチーなサウンドは、当時かなりの勢いで量産されていたこの手のバンドの中でもトップクラスの完成度で、ヴォーカルのクセがあまり強くなく、ナルシスティックな印象が(比較的)薄いこともあって、聴きやすさではピカイチでした。強いて難点を言えば、楽曲の平均点が高いがゆえに「キメ曲」を欠くように映ることでしょうか(個人的にはアップテンポの#5「Rapture Of Lust」などかなりのお気に入りですが)。

このメンツ、このレベルの作品が日本盤リリースされなかったのですから、この手のサウンドは日本で売れないと思われていたんでしょうねえ…。実際には結構日本人好みの音楽だと思うんですけどね(当時リリース元だった「Spinefarm」が「UNIVERSAL MUSIC」に買収されたばかりのタイミングで、その辺の権利問題が色々あったのかもしれませんが)。【85点】

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◆本作収録の「Queen Of Misery」

これ以外の動画は現地のユニバーサル・ミュージックによってガッチリ保護されていて日本では観られないようになっていました…。これも発見されたら観られなくなるのかも。

◆本作収録の「Rapture Of Lust」のライブ映像(オーディエンス録画)

ヴォーカルも割と美形クンなんですけどね。



おまけ。

本文中で触れたETERNAL TEARS OF SORROWの「A VIRGIN AND A WHORE」で、このFOR MY PAIN...のヴォーカリストであるユハ・キルマネンが1曲まるまるヴォーカルをとった「The River Flows Frozen」のアコースティック・バージョンの映像(非公式)が上がっていたので貼っておきます。これからの季節にピッタリな名曲なんですよこれが。大好きです。


この音源は日本盤ボーナス・トラックなので購入時は要注意。

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コメント

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私もこのアルバムはなかなかお気に入りです。ラウリとツォーマスで食い付きました(笑)
たしかにキメ曲という点ではイマイチかもしれませんが、全体的にまとまっている印象です。2ndも期待していましたが、おそらくないでしょうね(-_-;)

>のぶさん

やはりこのアルバムは聴いていらっしゃいましたか(笑)。
この手の音が好きで、CHARONのファンであればマストですね。

本当に楽曲の平均点の高いアルバムですよね。最後までダレずに聴けます。
この手の音のブームが終わってしまったので、「次」はないでしょうけど…(苦笑)。