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BURRN!15年1月号の感想

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表紙はPhotoshop処理をもってしても顔の皺がごまかしきれないデイヴィッド・カヴァデール(WHITESNAKE)。

『BURRN!』誌の創刊年に発売に行なわれた「SUPER ROCK ‘84」のライブDVDが復刻発売され、名盤「SLIDE IT IN」発売30周年ということでの表紙&巻頭インタビューだそうですが、他にネタはなかったのでしょうか…。現代のHR/HMシーンにとっては割とどうでもいい話題ですよね…?

てか、どう考えても「LOUD PARK 14」こそがこの号のメイン・トピックであるはずですが、この雑誌の「PURPLEファミリー」こそが最優先事項、という体質からの脱却は初代編集長の呪縛から離れてなお難しいということなのか、「30周年」にこだわりたいということなのか…。

特定のアーティストではなくフェスティバルをメイン・トピックにするというのはこれまでの『BURRN!』誌のフォーマットにない、ということもあるのでしょうが、これだけ読者を引っ張るパワーのあるアーティストが減ってくるとそういうやり方も視野に入れていかないといけないんじゃないでしょうか。

デビカバの懐古インタビューの後は、来日公演のチケット販促タイアップと思われるJUDAS PRIESTとKISSの海外でのライブ・レポート。

そしてAT THE GATESのインタビューとACCEPTの来日公演レポートを挟んで、ようやくLOUD PARKのレポート。実施日と入稿日の兼ね合いが悪く、もうすっかり当日の記憶が遠い思い出になってからの掲載となってしまうのは毎年のこと。月刊誌という媒体の限界ですね。

ボリューム的にも22のバンドを10ページで「処理」するというのはちょっと無理がある…というのは毎年のことなのですが、なんとなく例年よりは多少マシな気がします。なんとなく、ですが(笑)。

仮面女子が黙殺されるのは予想通りとはいえ、個人的にはthe GatzettEもきっと無視されるのだろうと思っていたらちゃんと載っていたのが意外でした(笑)。

いつまで続くのか、の30周年企画は、やはりマニアックで一見さんお断りという趣なのですが、普段あまりフォーカスされない映像作品が取り上げられているのはちょっといいかな。

しかし、「鋼鉄名盤徹底ガイド“裏街道編”がまだ1990~1992年までしか掲載されていないということは、残り12年分を2で割った6回分、つまりあと半年この「30周年企画」が続くということなのでしょうか?

その後はLOUD PARK出演バンドと、新作を出したバンドのインタビューがアットランダムに(という風に見えるが、何らかの編集意向に基いて並べられているのかもしれません)掲載されている。

興味深いのは、ARCH ENEMYのインタビューではちゃんと登場して普通に受け答えしているニック・コードル(G)が、その後に掲載されているマイケル・アモットのコラム「DARK RECOLLECTIONS」で「性格や好みの不一致」によって解雇されたことが告げられていることですね(苦笑)。

ニック・コードル、LOUD PARKで観る限りではそれほど問題があるようには見えませんでしたが、まあ後任がジェフ・ルーミスということであればそれはそれで楽しみです。

あとはRIOTの新ヴォーカル、トッド・マイケル・ホールが45歳であるというネタとかですかね(笑)。パッと見30代かな、というくらいの爽やかさだったのですが。年齢的にはマイク・ディメオの代わりにトニー・ムーアの後任として90年代のRIOTに加入していたとしてもおかしくなかったわけですね。

LOUD PARKに出演しただけのバンドはともかくとして、HAREM SCAREMやANVILがモノクロに甘んじる中、CRIMSON SHADOWSなどという(失礼ながら)B級バンドがカラーで掲載されたのは快挙(?)ですね。

インタビューを担当している前田氏は実際にこのバンドの新作を気に入っている風だったので「抜擢」されたのか、あるいはレーベルがお金を出したのか。発売時にはちょっと見送ってしまいましたが、ちょっと聴きたくなりました。

「今月のおすすめ」で藤木氏が蔑称ではない、と熱弁を振るっている「嬢メタル」バンドのLAST MAY JAGUARとCROSS VEINがそれぞれカラーで掲載されているわけですが、メジャーからアルバムがリリースされるこの2組を見ると、メジャーで出せるかどうかの鍵はやはり女の子のルックスなのではないかと思ってしまいました(笑)。

LAST MAY JAGUARのヴォーカルの子は元々芸能界の周辺にいた子のようで、バンド自体ビクターが作り上げたもののようなのですが(要はLIV MOONですね)、彼女は大学時代にメタルのサークル(そんなものがあるんですか?)に入っていたとのことですし、CROSS VEINのヴォーカルの子といい、こんな可愛い子が曲りなりにも(?)メタルを聴き、プレイしているということ自体、メタル暗黒の90年代に青春を過ごした身としては生まれてくる時代を間違えたかもしれないと思ってしまいますね(笑)。

レビュー作品に関しては、今月のマスト・バイはANGRA一択ですね。他に興味のあるアルバムがないわけではないですが、ANGRAとそれ以外の温度差はデカいというのが正直な所です。

もう色々な媒体で2014年のベスト・アルバムなどが選出されていますが、メロディック・メタル・ファンにとってはANGRAを聴かずに選出なんてできませんよね。

なお、『BURRN!』誌の感想を書くのもこれが最後です。割とリアクションのある記事でしたが、それはそれだけ皆『BURRN!』に関心があったということでしょう。

足かけ8年に渡って欠かさず感想を書いてくれる読者なんてそうはいないでしょうから、編集部から表彰とかされてもいいんじゃないですかね。されませんね、これまで書いてきたことを考えると(笑)。愛はあったつもりですけどね。

BURRN!14年12月号の感想

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表紙は8ヵ月ぶりのニッキー・シックス。1年に2回ニッキー・シックスが表紙になる月刊誌は世界で『BURRN!』だけでしょうね(苦笑)。

巻頭はニッキー率いるSIXX:AMのインタビューで、その後ジョー・ペリーのインタビューからMR.BIGのインタビューと続いてSLIPKNOTのインタビュー。

…私は別にSLIPKNOTのファンではありませんが、普通に考えてこのタイミングならSLIPKNOTが表紙で然るべきじゃないですかね? KNOTFESTも近いことですし。

まあ、KNOTFESTについてはこの雑誌はほぼ黙殺している観があり、それはつまりあのフェスが『BURRN!』に広告を出さないから、ということなのでしょうが、それでチケットが売れている(しかもメタル色が強い2日目のチケットがソールド・アウトしている)わけですから、この雑誌にとっては面白からぬイベントなのでしょう。

過去には彼らを表紙にしたこともあるんですけどね。まあ、今の『BURRN!』の媒体力ではSLIPKNOT側から表紙用の写真を提供してもらえなかった、なんてこともありえるわけですが(実際インタビューもかなり限られた時間しか許可されなかったそうですし…)。

いよいよどうでもいい境地に突入してきた「創刊30周年記念スペシャル企画」、今月号が2014年12月号だから、ようやく最後かと思っていたら、「続きはまた来月」だと…? まさか31周年号になるまで続ける気なのか…?

カラーのインタビューは、中間にAMARANTHEやGALNERYUS、陰陽座など、私好みのメロディック系をまとめ、後半にEXODUSやANTHRAX、MACHINE HEADといったエクストリーム系をまとめている。

個人的に読み応えがあったのは陰陽座のものですが、これはファンでなくては読めないタイプのインタビューかもしれません(苦笑)。

モノクロのインタビューで興味深かったのはクウェートのDIVINE DISORDERのものですね。桜庭統や澤野弘之、鷺巣詩郎といった作曲家や、Janne Da Arc、MUCC、マキシマム・ザ・ホルモン、ONE OK ROCKといったバンドに影響を受け、モンハンをやっている、というインタビューには、もはや地球がボーダーレスになっていることをあらためて感じさせられました。

このバンド、日本ではまだアルバムが発売されていませんが、そういうバンドでもこうしてインタビューが掲載される可能性がある、ということを示してくれました。地獄の沙汰も金次第、ということでしょうか(笑)。このインタビューがきっかけでどこかのレーベルが契約してくれるといいですね。

レビューに関しては、今月はあまり強く心惹かれるものはないですね。BLOODBOUNDは初期に回帰しているなら聴いてみようか、とかダニエル・ハイメン(元LOST HORIZON)が加入したというHARMONYあたりはチェックしてみようかな、というくらいです。

AT THE GATESやHAREM SCAREMも聴けば楽しめるだろうと思いますし、広瀬編集長が90点をつけているNOZOMU WAKAI’S DESTINIAもちょっと気になりますが。

◆発行元であるシンコーミュージックのWebサイト
http://www.shinko-music.co.jp/main/ProductDetail.do?pid=2175011412

BURRN!14年11月号の感想

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表紙はオジー・オズボーン。

創刊号もオジー(と、ジェイク・E・リー)が表紙だったんだから、先月の30周年記念号の表紙もオジーにした方が良かったんじゃないの、と思いつつも、巻頭のインタビューを読むと、たしかにオジーで表紙&巻頭は厳しかったのかもしれないと思いました(苦笑)。

もう完全に「おじいちゃんの思い出話」だもんなぁ…。いやまあ、ある意味現役バリバリのロック・スターがおじいちゃんになるまで続いている、というのは凄いことかもしれませんけどね…。

続くは髭を生やしてイメージチェンジした(?)MEGADETHのデイヴ・ムステインのグダグダなインタビューと、SUMMER SONIC東京公演における簡単なライブ・レポート。

新作を出したIN FLAMESのビヨーン・イエロッテ(G)とアンダース・フリーデン(Vo)のインタビュー。アンダース・フリーデンがIN FLAMESのことを「メロディック・メタル・バンド」と自己規定しているのはちょっと意外でした。

そして今となっては最高に虚しい気持ちになるのがMANOWARのインタビュー。LOUD PARKへの意気込みを語ってくれていますが…。

インタビュー中で語られている「スペインの『D.A.S. Audio』という、我々の基準を満たし、我々の音量に相応しいスピーカーを作っている音響システムの会社」による機材というのが船便の遅れでキャンセルしなくてはならなかった理由なんですかね?

「『LOUD PARK 14』での我々のパフォーマンスは、偉大なる三船敏郎、黒澤明、ビートたけし、そして素晴らしい天才で我が友人であるYoshikiに捧げるよ」と言っていますが、Yoshikiとはいつ友人になったんですかね? まあ、欧米人はバーで一回乾杯しただけでも「友達」と言いそうなので、あまりその辺を深く追求しても意味がないのかもしれませんが。

リッチー・サンボラとオリアンティのライブ・レポートとインタビューは、どちらもファンにとっては微妙な気持ちになりそうな内容でした。ファンというほどの思い入れのない身としては、「この2人って、やっぱデキてるのかな?」という下衆の勘繰りをしながら読んでしまいましたが。

前付のカラーでDANGER DANGERの来日公演レポートが来ていたのはちょっと驚きましたね。そこまで注目度があると思っていなかっただけに。

アンディ・ティモンズ(G)を含むオリジナル・ラインナップでの来日ということで、私も都合がつけば観に行きたかったのですが、行くとしたらUNISONIC&EDGUYの公演と立て続けに行かなくてはならず、さすがに2日連続で平日の公演に足を運ぶのは無理でした(苦笑)。とりあえず写真を見るだけでもテッド・ポーリー(Vo)の笑顔がとても素敵ですね。

創刊30周年記念号が終わってもまだ続く(苦笑)「創刊30周年記念スペシャル企画」は「編集部員が語るBURRN!の30年」という、編集部内の雑談(?)を文字起こししたもの。

まあ、良くも悪しくもこれだけ編集部員のパーソナリティが読者に周知されている雑誌って他にはそんなにないと思うので成立する企画ですね。まあ、この雑誌自体に思い入れのある人であればそれなりにぶっちゃけてるし、楽しめるんじゃないでしょうか。全く興味ない、って読者もいるでしょうけどね。

今月もまた過去のLOUDNESSの扱いについて言い訳めいた話をしているのにはちょっと苦笑してしまいましたが…。

「創刊30周年記念スペシャル企画」第2弾は「鋼鉄名盤ウラ街道を行く」と題されたマイナー作品紹介。

まあ、「マイナーなものを聴いてみたい」という欲求はかつての自分にもあったので理解できますし、実際稀に「大当たり」があったりもするので一概には言えませんが、私が初心者の方に言いたいのは「マイナー所に手を出すのは、まずはメジャー所をひと通り聴いてから」ということですね。

レビューの文字面的に魅力的に思えたとしても、マイナーなものの多くはやはりクオリティがメジャーものに及んでいないケースが大半なので…。メジャーなものをいっぱい聴いて耳が肥えた上でないと楽しめない、みたいな作品もありますしね。

先月号の「この30年、この30枚」に続く「この30年、この30曲」については、「なんでこのバンドがこの曲なんだよ!」みたいな話はもちろんいくらでも出てくるのでしょうが、何しろ仕事としてHR/HMを何万曲と聴いている人たちのセレクトですから、箸にも棒にもかからないようなつまらない曲は選ばれていないと思うので、興味あるバンドについてはYouTubeとかでここに挙げられている曲名を検索してみるのもいいんじゃないでしょうか。

モノクロのインタビューでは、やはりRIOTのインタビューに触れねばなるまい。海外ではRIOT V(RIOT MARK FIVE)と名乗って活動している彼らのアルバムが、ここ日本ではRIOTと名乗っていることについては、やはりレコード会社の差し金だったようだ。

マーキーの社長が「ファンはキミ達のことをRIOTとして認識しているし(そうですかね?)、RIOTはRIOTなんだから(意味不明)、そこに別のものを付けるとファンがいなくなってしまうかもしれない」と脅したのだという。

かつてアリ・コイヴネンが加入したAMORALのアルバムを「アリ・コイヴネン with アモラル」名義で発売した時点で薄々感じていましたが、マーキーの社長も大概ですね。

まあ、確かにRIOT名義の方が、近況をよく知らないファンにとっては「お、RIOTの新譜出たのか」と手に取られる可能性が上がるとは思いますが、マーク・リアリの死から、現在の彼らの成り立ちを知るコアなファンにとっては逆に銭ゲバ的な臭いがして反感を買うのではないかという気がします。

私はマーキーから出ているCDを相当な枚数買っている「優良顧客」ですが、そういうやり口は好きになれない(というかハッキリ言って気に食わない)し、今回の話とは無関係ながら、いい機会なので(?)言ってしまうとこのレコード会社のオビのデザインのセンスの悪さは酷いと思ってます。

毎月恒例のカレンダー・ポスター(?)はMARY’S BLOOD。まあ容貌の衰えたオッサン・ミュージシャンを載せるくらいなら若い女の子にした方が読者も嬉しかろう、という気遣いなのかもしれませんが、さすがにちょっとセンター見開きでフィーチュアするにはまだマイナー過ぎませんか。

まあ、編集部員の「今月のおすすめ」を見ると、もはや前田氏と藤木氏は完全に「嬢メタル」の虜であることは明らかで、これが「編集方針」ということなのでしょう。

しかし今月の「早わかり」コーナーはマーティ・フリードマンって…そろそろこのコーナー限界なんじゃないですか…?

あと、凄くミクロなツッコミを入れさせてもらうと、「CHARTS」ページで1位になっているDRAGONFORCEのアルバムタイトルが間違ってます。「MAXIMUM OVERDRIVE」って…。日本語表記も間違っているということは、完全に勘違いしていたんでしょうね。

UNISONICとEDGUYの来日公演レポートは、私が観に行かなかった日のものなので興味深かったですね。2バンド合わせてとはいえ、カラー11ページでの扱いというのも手厚い。

インタビューにおけるトビアス・サメットは、自身が成功したロック・スターになってなお「ファン心理」を失っていない所が好感度大ですね。

そしてマイケル・キスクの「Eagle Fly Free」を歌いたい、という発言には驚きました。これは次回期待していいのでしょうか。

奥野氏がツイッターで面白いと言っていたダグ・アルドリッチのインタビューは、面白いと言うか何と言うか…。「ミュージシャンの厳しい現実」がここまで赤裸々に語られているインタビューは珍しいのではないでしょうか。とりあえずデイヴィッド・カヴァデールの好感度はだだ下がりですね(苦笑)。

レビューに関しては、今月のマストバイはGALNERYUSに陰陽座にWORK OF ARTと、既に「発売中」となっている(そして当然購入済みの)ものばかり。

マグナス・カールソンからティモ・トルキにソングライターがチェンジしたALLEN-LANDEはどうしようかなあ…。藤木氏のレビューではこのソングライターの交替はポジティブに受け止められているけれども。

SONATA ARCTICAの「ECLIPTICA」の再録盤もどうしようか悩むタイトル。聴けば楽しめるだろうけど、オリジナルの衝撃を超えることがないのはわかっているだけに…。しかもこれもマーキーによる企画と聞くと、銭ゲバの臭いが…。

ややマイナーな所ではCRIMSON SHADOWSとVICTORIUSが気になるし、森川之雄が復帰したANTHEMも気になってますね。

BURRN!14年10月号の感想

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『BURRN!』! 2014年10月号は、30周年記念号ということで、この雑誌の30年の歴史として初となる中綴じ(背表紙あり)仕様による、通常の倍、320ページという大増ページでの特別仕様。

10周年、20周年でやらなかったこういう「特別なこと」をこのタイミングで実施したのは、「40周年はないかもしれない」という意識があったからなのでは…というのは邪推ですかね。まあ、この移り変わりの激しい世の中では10年後がどうなっているかなんて誰もわからないですけどね。

この特別な号の表紙を任されたのはMR.BIG。10周年、15周年、25周年に続いて4回目の周年告知です。

なんかメタル雑誌の特別な記念号ということであれば、METALLICAやIRON MAIDENあたりが適任だと思うのですが、難しいんでしょうかね。

まあ、皮肉な言い方をすれば、国際的にはそれほど存在感のないMR.BIGが表紙をやる、というのも『BURRN!』!らしいと言えるのかもしれません。

このタイミングでMR.BIGが新作を出すというのも、もしやこの『BURRN!』!の30周年に合わせて制作/発表したのではないかという穿った見方をしてしまうわけですが、いずれにせよこの雑誌とMR.BIGの関係というのは「特別なもの」なのでしょう。

当然巻頭はMR.BIGのインタビューなわけですが、パット・トーピー(Dr)の病気の件もあり、こういう状況でファンならぬ者が迂闊なことを言うことはリスクしかないわけで、敬して読み飛ばす。

MOTLEY CRUEのファイナル・ツアーのレポ、そしてスラッシュのバンドを前座に迎えて行なわれたAEROSMITHのLA公演のレポを挟んで、本号の目玉である30周年記念特集、「BURRN!が伝えてきたHR/HM30年史」。

これだけで通常の『BURRN!』!のページ数を超えるページ数をフルカラーで使って1984年から2014年にいたる『BURRN!』の年間人気投票のダイジェストと、主だった記事で振り返る特集。

まあ、記事のセレクトなども含めて、量が量だけに、編集部的には大変な作業だったのだろうと思いますし、『BURRN!』という雑誌自体を愛してきた、あるいは『BURRN!』がプッシュするアーティストを愛してきた人たちにとっては資料性の高い企画だと思います。

ただ、個人的にはこうして俯瞰してみると、あらためて『BURRN!』という雑誌がいかに狭いターゲットに向けて雑誌を作ってきたのかということが浮き彫りになってしまっているというか…。何も知らない人がこれを読むと「30年間HR/HMはほとんど何も変わらなかった」という印象を抱きかねないと思います。

HR/HMバンドの各年ごとのリリース点数とレコード・セールスの推移などを折れ線グラフなどにして載せてみれば、また違う発見があったと思うのですが。

もう少し俯瞰的にロック・シーンを見てきた人にとっては、「BURRN!が何を伝えなかったか」の方が浮き彫りになってしまっている企画かもしれません。

伊藤政則氏と広瀬編集長の対談は煎じ詰めると毎度同じような切り口での「昔は良かったね」という愚痴にしか聞こえない。

編集部員と、レギュラーのライター(元編集部員)による「この30年、この30枚」は、人が入れ替わってないだけに、長いことこの雑誌を読んでいる読者であれば何度も似たようなセレクトを見せられたような印象が。

まあ、その辺は当事者たちも意識しているのか、意図的に新しめのバンド、新しめのアルバムを挙げようとしている人や、これも恐らく意図的に「変化球」を織り込んできている人もいますが。

「増田勇一氏に訊く日本のHM/HR、30周年の軌跡」については、なんか半分「なぜLOUDNESSをちゃんと扱ってこなかったか」の言い訳に見えるわけですが、結局の所、広瀬編集長の「『BURRN!』の読者層において洋楽至上主義者の割合が非常に高い、という現実がありますね」「日本のバンドを載せないでください、という声は多いですから」という言葉に集約されちゃうんでしょうね。

「日本のバンドを聴かない」というのは、個人の嗜好やポリシーとしてはとやかく言う筋合いの話ではないのでどうぞご自由に、という感じですが、それを自分のものではない(むしろ異なる価値観の人も多く読んでいる)雑誌に対して「載せないでください」とか要求する神経が今一つ理解できないんですよね。

そういうちょっと頭のおかしい、控えめに言って偏狭な人の意見を汲んで日本のバンドを載せなかった、というのも「言い訳」としてどうなんでしょうかね。本気で日本のバンドを扱う意味があると思っていたら、他人のそんな意見に耳を貸さないと思うので、結局編集部としても同じような洋楽偏重な価値観を持っていたからそうしただけ、ということなんじゃないかという気がします。

最近はそういう偏狭な人も年をとって丸くなったのか、あるいは『BURRN!』やHR/HMを「卒業」したからか、そういう声も減ったようで、だいぶ日本のアーティストも載るようになってきたと思いますけどね。

とまあ、そんなこんなで特集が大ボリュームだったおかげで、OPETHとか、普通ならカラーで扱われるべきアーティストがモノクロ2ページで「処理」されてしまっていたりと、割を食ってしまった感じです。

レビューに関しては、今月のマストバイは既に購入済みのRIOT、先行発表曲を聴く限りちょっと不安なIN FLAMES。そしてレビューは間に合っていないものの、24日発売の陰陽座およびGALNERYUSは外せません。

元AS I LAY DYINGのメンバーによるWOVENWAR、酷評されていますが、これまで買い続けてきたMANIGANCE、昨年の来日公演の印象が良かったKISSIN’ DYNAMITEなんかも気になっています。

◆発行元であるシンコー・ミュージックのWebサイト
http://www.shinko-music.co.jp/main/ProductDetail.do?pid=2175011410

BURRN!14年9月号の感想

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表紙をめくると、表2見開きにMR.BIGの、第二表2見開きにはACCEPTやHAMMERFALLを中心としたワードレコーズの広告ページが入るなど、久しぶりに広告がよく入っている。

MR.BIGの新譜は9月10日発売だから、本当は来月号が直近のはずだけど、8月1日にリリース元であるWHDエンタテインメントがWOWOWエンタテインメントに社名変更をしたこともあって広告を出したのかな、などと思ったり。

MR.BIGに関しては、今月号ではBURRN!の30年におよぶ歴史で初となる「付録CD」が付いていて(はるかな昔にはANTHEMのソノシートが付いたことはあったようですが)、それは12月に発売されるというMR.BIGのボックス・セットのサンプラーになっている。

「CDが付いてもお値段変わらず670円!」と言ってますが、それは単にレコード会社がお金を負担したというだけのことでしょう。今の部数ならそれほどバカ高くはならないんでしょうし。

とはいえこんなコア・ファン向けの音源を付録に付けたところで、どれだけ新しく興味を持つ人が出てくるのかはちょっと疑問もありますが…。まあ、レコード会社としてはBURRN!との「関係強化」のための「投資」という考え方もあるのかもしれません。

しかしACCEPTやHAMMERFALLをリリースするとは、ワードレコーズは最近強気ですね。一時期のゼロ・コーポレーションを思わせる張り込みようです。AVALONやキングレコードより高い契約金をオファーしているんでしょうね。

表紙はようやく懐古ネタが尽きたのか、SLASH。とはいえこの人は見た目の印象がデビュー時からずっと変わらないので、過去の写真なのか今の写真なのかわかりませんね(笑)。

ただ、このSLASHも新譜のリリースは9月10日であり、本来なら来月号で扱われるべき存在(まあ、告知は早い方がいいという考え方もありますが)。ここで今月号のクロスレビュー・アーティストであるACCEPTやDRAGONFORCEを素直に表紙にできないあたりが今のBURRN!の(というか日本のメタル・マーケットの)苦しい所ですね。

巻頭のSLASHのインタビューの後は、ベスト・アルバム「KISS 40」をリリースし、現在DEF LEPPARDとパッケージ・ツアーを行なっているKISSのインタビュー。

個人的にはベスト・アルバムや日本で行なわれるわけではないライブについてこれほど厚く取り上げる必要はないようにも思うのですが、レコード会社から販促の一環として取り上げるよう依頼されたのでしょうか。

インタビューの担当はKISSフリークとされる増田勇一氏ですが、この人誌面に復帰するようになってからやたらとフィーチュアされている印象です。

続いて、イギリスの大規模ヘヴィ・ロック/メタル・フェスティバル「SONISPHERE FESTIVAL」のレポート。

レポートとはいえ、IRON MAIDEN、METALLICA、SLAYER、ANTHRAX、CARCASS、MASTDONという6バンドのみに絞り込んだレポートで、100を超えるバンドが出演したフェス全体のスケール感は全く伝わってこない。

そして、恐らく日本人的にはメインステージにかのBABYMETALが出演したことが一番の話題のはずなのですが、それも完全スルー。その辺は同じシンコーミュージックから出ている『ヘドバン!』に譲るということなのでしょうか。

広瀬編集長の「SPECIAL対談」の相手は、いよいよネタが尽きたか、完全な裏方のフォトグラファーの人。90年代に『Player』誌で活躍していたようなので、当時の『Player』誌を読んでいた人にはなじみがあるのかもしれませんが、私は全く存じ上げない方でした。

まあ、いろいろなアーティストの仕事をされている方なので、お話自体は興味深いですけどね。イングヴェイが撮影のときには頬を引っ込めているという話にはちょっと笑いました(笑)。たしかにそういう写真に憶えがありますね。

モノクロのインタビューでは、これまた増田氏が手掛けたエース・フレーリーのものが充実。KISSの記事が楽しめた人にとっては必見でしょう。

カラーのインタビューはHEAD PHONES PRESIDENTとACCEPTと、BUCKCHERRYと、OVERKILLが各4ページ、DRAGONFORCEが5ページ。

ただ、RED DRAGON CARTELはインタビューはモノクロで4ページ、来日公演レポートがカラー2ページなので、実質6ページ。同様にRIVAL SONSもインタビューがモノクロ4ページで、英国でのライブ・レポートがカラー2ページの合計6ページ。イマイチいち読者には理解しがたいページ配分です。

てか、同一アーティストのインタビューとライブ・レポートのページを離すのって、何か意味あるんですかね?

RED DRAGON CARTELは今後BADLANDS寄りになっていくとのことで、そうなると個人的にはちょっと積極的に聴きたい音ではなくなっていくかも。

ディスク・レビューに関しては、ACCEPT、DRAGONFORCE、HAMMERFALLがマストバイ。レビューは間に合っていないが、RIOT=マーク・リアリの遺志を継ぐRIOT V(あれ? RIOT名義?)のアルバムも今月発売ですね。

あとは「過去最高にドラマティック」というELUVEITIEや、伊藤政則先生が94点をつけていらっしゃるOPETHなども聴いてみたいが、最近のこの暑さだと個人的にはなかなか手が伸びにくい音楽ではあります(苦笑)。

来月号は30周年記念号ということで、一挙にページ2倍、320ページとなり、通常中綴じのこの雑誌が、背表紙ありの平綴じになるそうです。お値段は1,000円だそうで。30周年記念号の表紙は案の定MR.BIG、ということのようですね。

最近またベース演奏を始めたらしい前田氏の編集後記がひと昔前の「メン募」風で笑いました。

◆発行元であるシンコー・ミュージックのWebサイト
http://www.shinko-music.co.jp/main/ProductDetail.do?pid=2175011409