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AMON AMARTH "Shield Wall"のMV

前作"JOMSVIKING"に続き、欧州のメイン・マーケットであるドイツのチャートでNo.1に輝いた最新作"BERSERKER"からの4本目のミュージック・ビデオ。

前作もそうでしたが、1枚のアルバムから4本もMV(しかもいわゆるリリック・ビデオではない)を制作できるあたりが人気バンドを感じさせますね。

これまでにリリースした"Raven's Flight"、"Crack the Sky"、"Mjölner, Hammer of Thor"はかなり(このバンドにしては)キャッチーで、ひと昔前の「シングル曲」感覚の曲だったが、この曲は彼らのパブリック・イメージであるヴァイキング路線をストレートに行った曲で、"Deceiver of the Gods"や"At Dawn's First Light"といった曲のMVの系譜にある映像で、私好みのMV。

欧州では人気が高いとはいえ、100万枚売れる、みたいなバンドではないのにここまでシネマティックなMVが作れるとは、凄い時代になったなと感じますね。




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NORTHTALE “WELCOME TO PARADISE” アルバム・レビュー

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TWILIGHT FORCEを脱退したクリレオンことクリスチャン・エリクソン(Vo)が、元CELLADORで、CIRCLE II CIRCLEのメンバーでもあるアメリカ人ギタリスト、ビル・ハドソンと結成したバンドのデビュー・アルバム。

ベースは全く聞いたことのない人だが、ドラムは元YNGWIE MALMSTEENというのが日本人には最も通りがいいであろうパトリック・ヨハンソン、キーボードはTHE FRACTURED DIMENSIONのメンバーで、日本のマニアにはETERNITY’S ENDのキーボーディストといえば多少ピンと来る人もいるであろうジミー・ピッツ。

メンバーの国籍を見るとスウェーデンとアメリカの混成バンドだが、音楽的には完全にSTRATOVARIUS以降の北欧型メロディック・パワー・メタル。

というか有り体に言ってしまうと完全にSTRATOVARIUSのフォロワーで、スピード・チューンとキャッチーな曲を主軸に、アルバムにおけるアクセントとしてちょっとヘヴィな曲とバラードはプレイする、というスタイルは完全にSTRATOVARIUS。

メタルの持つダーティーな面やアンダーグラウンドな部分を完全にそぎ落としたクリーンなサウンドは、人によっては「こんなんスタイルはメタルでもスピリットがメタルじゃねえ」と感じる類のものかもしれないが、個人的にはこういう音こそ私が好きな要素だけを抽出した、ストライクゾーンど真ん中の音。

哀愁を帯びた流麗な歌メロに北欧を感じつつ、あまりクサくなり過ぎないのはやはりギターとキーボードというメロディ楽器担当がアメリカ人であるせいだろうか。

それは欧州メタル・マニアにとってはちょっと物足りなさにもつながりつつ、マニア以外の層に支持を広げる上では有利に働くことだろう。

何よりライブを観て、ヴォーカルとギターに華があるというのがこの手のバンドとしては非常に稀有で、ロック・スターなヴォーカルとギター・ヒーローなギタリストの組み合わせこそがメタルの、いやロックの王道と感じる向き(日本人にはかなり多い価値観だと思う)にとって、理想的なバンドである。

楽曲もどれもちゃんとフックがあって良くできているが、「これぞ!」というキラー・チューンに欠けるのもまた事実で、その辺は次作以降の課題だろうか。

あとまあ、この手のメロディック・パワー・メタルにおいて変に個性を出すことはあまりファンに歓迎されない傾向があるとはいえ、ある程度以上ビッグになっているバンドには、とりあえずマニアにはわかる程度に個性があるものだが、このバンドにはまだそれがない。

そういう意味ではまだAクラスとは言い切れないのだが、ポテンシャルは間違いなくピカイチで、新世代のSTRATOVARIUSはこのバンドと断言してしまっていいだろう。【85点】







TWILIGHT FORCE “DAWN OF THE DRAGONSTAR” アルバム・レビュー

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世界遺産にも登録されている大銅山で知られる、SABATONを生んだスウェーデン中部の都市、ファールン出身のシンフォニック・パワー・メタル・バンドの3rdアルバム。

その勇壮で上質なシンフォニック・パワー・メタル・サウンドによって、デビュー作の時点で本国のチャートにもランクインし、ここ日本でもマニアの高い支持を得て、”Evoken Fest 2017”における来日時には熱狂的な歓迎を受けた。

しかし、前作”HEROES OF MIGHTY MAGIC”(2016)発表後、Voのクリレオンことクリスチャン・エリクソンが音楽的方向性の違いにより脱退、TRICK OR TREATやLUCA TURILLI'S RHAPSODYの活動で知られるアレッサンドロ・コンティがアリオンという芸名で加入した。

音楽性についてはこれまでと何ら変わっておらず、シンフォニック・メタルに興味がないメタル・ファンが聴いたら「ああ、RHAPSODY OF FIREのフォロワーね」の一言で片づけられそうなほど、RHAPSODY OF FIREに酷似したサウンドだが、自ら標榜する「アドベンチャー・メタル」というワードが表現する通り、より動的な印象が強く、本家RHAPSODY OF FIREも時に陥りがちだった「シンフォニックなだけでメタルとしてはちょっと退屈なパート」が存在しないことが彼らの強み。

明るいメロディやフォーキッシュなスパイスも巧みに活用したダイナミックな場面転換によるドラマ性も豊かで、裏打ちのツーバス疾走パートも多く、一般的なメタル・ファンにとっての親しみやすさという点では、今や本家以上とさえいえる。

新ヴォーカルのアレッサンドロ・コンティは、当然ながら音楽性には完全にフィットしており、前任者よりも広い音域と高い歌唱技術によってバンドの音楽的完成度を高めることに貢献している。

もっとも、歌唱の個性やヒューマンな味わい、そしてフロントマンとしての華という点では前任のクリレオンに軍配が上がるため、このメンバー・チェンジを手放しで喜ばないファンも多いのではないかと思われるが、スタジオ作品としてのクオリティは確実に上がっている。

よりテクニカルなヴォーカリストを得て、今後作曲が変に「高度化」してわかりやすさが減じてしまうことが懸念材料といえば懸念材料か(笑)。

いずれにせよシンフォニック・パワー・メタル・ファンであれば必聴の傑作。もはや新世代のRHAPSODY OF FIREはこのバンドと断言してしまっていいだろう。【87点】